「この島は、はるかな昔から人々の魂を揺さぶりつづけ、近世森林の保全と活用で人々が苦しみ葛藤した島である。」―屋久島憲章より―
保全か活用か、これは屋久島で永きにわたり提起され続け、今なお議論され続ける課題です。
本年は小杉谷が閉山して50周年という節目の年であり、大正10年の屋久島国有林経営の大綱(屋久島憲法)発布からおおよそ100年目を迎える国有林事業にとって歴史的にも意義深い年であります。
屋久杉自然館では、大正12年の小杉谷製品事業所の開設から昭和45年の閉山まで、半世紀、三世代に渡って栄えた小杉谷・石塚集落を紹介する特別展『小杉谷・石塚~森と人々の記憶~展』を開催しています。
山で生計を立てた男達とその家族が山に生きた証の場所である小さな集落の生活史。大正、昭和、戦中戦後の混乱の中、国有林開発の火を絶え間なく燃やし続けた人々の歴史を、当時の貴重な映像や写真、人々の記憶とともに振り返ります。